ダイニング公演なんて初の試みだ。
誰も「聞いたことがない」なんて言う。
氷で薄まったオレンジジュース1ドリンクなんて出したくなかった。
単価がわかるような安いお菓子なんかで1フードなんて言いたくなかった。
カフェ公演なんていって白いシャツ・黒いパンツで小道具ほとんどなしの素舞台です、予算抑えて1フード・1ドリンクですなんていいたくなかった。
演劇も面白かった・飯も美味かった・だから気分いいから酒飲んだ!
と、なりたかった。
私が客ならそうなりたいからそうした。ただそれだけのことだ。
店長が私の話をめちゃくちゃ一生懸命になって聞いてくれた。
ただ、それだけのことだ。
今回の座組は誰ひとりとしてかけることはできない。
全員必要だ。
それは本当にしみじみ感じる。
なぜ「アリス」なのかと聞かれた。
チラシの発注をかけたときに、発注をかけた人間が当初この物語の「モデル」だったため、デザインを丸投げした「あんたの感性で描いてくれ」と。
したらこんな感じに仕上がったので。
チラシとの世界観をすり合わせると、不思議の国のアリスが一番しっくりきたのだ。
パンチが欲しかった。
男をもてあそぶ先輩は女王様。
女をもてあそぶ彼氏は発情期のうさぎ。
要点のない話しをする父は帽子屋。
うるさい妹弟は双子。
あわてんぼうで影の薄い店長は白いうさぎ。
かわいい同級生はおしゃべりの上手なお花。
噂好きな美容師は猫。
彼女に通じる人たちはみんなヘンテコで奇妙。
そのヘンテコな世界で彼女はまた「愛」とかいうヘンテコなものを探すのだ。
そもそも現実世界にいたって形のない「愛」を探すことこそ奇妙なのだ。
だから不思議の国だろうが、現実世界だろうが、見える画は違っても本質は変わらない。
だからアリスの世界観をもろパクリしたって物語は変わらない。
「恋愛」は不思議の国へ女いざなうアイテム。
「EAT ME!」と書かれたクッキーや飲み物みたいなものだ。
「EAT ME」と書かれたお好み焼きポストカードを買った人!はもうワンダーランドにいっちゃってるかもね。
第6ボタンプロデゥース
ドラマ×ダイニング ゲキウマvol.1
「どっからが愛!」
作・演出 ながみねひとみ
2012年3月20日(火)~25日(日)
※全11ステージ
<出演>
青木裕美子 (株式会社ウォーターブルー)
大和田沙織
内山唯美 (劇団銀石)
加藤ひろたか
河上泰子
ながみねひとみ
矢鋪あい
柳田幸則 (東京オレンジ)
<スタッフ>
照明監修 内山唯美(劇団銀石)
音響監修 角田里枝
衣装 色川奈津子
音楽提供 S.F.
宣伝美術 ひらのあさこ
制作 醍醐絵理加 仲村須磨子
照明OP 堀内なつき
音響OP 市村匡永
協力 うまいもんや 十条仲通商店会 十条銀座商店街振興会
<会場>
埼京線 十条駅 徒歩5分 うまいもんや