あとがき

 

「麗しき乙女達の肖像」という作品は、私がまだ長野にいた頃。

 高校生向けにかいた作品。体育館倉庫にお泊りする、女子高生100%の汗と涙とアホの物語の60分の作品。

それを女優だけでふざけてお祭り騒ぎでやるつもりだった。

青木・野平・杉原の出演がすでに決定して最中。

 柳田がすでにオファーしている杉原が出演するのを聞いて。

 「え?杉さん出るなら俺も出たい!」と言い始め。

なんだと…?俳優には今回出演させるつもりじゃなかったのだが…。じゃあ、出すか…。

ん?そうなると…バランスがなぁ~。

 うーん。せっかくなら男もがちゃがちゃ掛け合いするシーンが見たいな。

そうなると完全に書き直さなくてはならんが…ま。いっか。

そうだな。会社でいくか…会社ね。

柳田の上司とかね…上司とかね…上司…上司……やっぱり小保方かなぁ(--;)

でもなぁ…7月に役者復帰させたけども、もう1度やるっていうかなぁ?

どーせ、また途中で「やっぱり出られないわ。本当すまん!」なんて電話してくるんじゃないの?

事情が事情だし。普通の社会人だし……悩んだけど。

やっぱり半ば強引に「うるせぇな!わかったよ!出てやるわ!」って言わせてしまった。

オファーで喧嘩っていうね…。まぁ、ざまぁみろなんだけど。

大藤もなんだかんだで「オーディションの結果待ちなんですよ。」とかいいやがって。

はぁ?とか思ったけど、まぁ、そうよねぇ~とか考えていたら青木から。

「金ちゃんも出たいって言ってたよ~。」

とか言われ…。

中途半端に「出させていただけるなら…」みたいな態度で来られてもまず選択肢にいれないっつーの!

と、キャスティングの時点でわがまま三昧な役者たちに囲まれ。

とても頭が痛かった。

 

スケジュールを組んだら今回は稽古に全員が集まらないという時期が続いた。

集まらないと台本がかけない。台本がかけないと台本で遊び始める。台本で遊び始めるとかなり自由になる。

結果、1カ月そこらで仕上げるハメになってしまった。

青木の割り振りに困ってしまい…。

モコ・ミカ・マサコの3人のキャラがいつまでも決まらず。

ずーっとくるくるとキャストを変えながら遊ぶ時期が続き。

ようやく青木が合流したと思ったら。

「私、最後の飲み会のシーン出たいんだけど。」

とか言い始め…。

 

なんだよぉーっ!

 

毎度、出演する青木は相変わらずみんなで楽しそうにするシーンに参加することが出来ず。瞑想。

じゃあ、書き直してみましょうか?みたいな感じで書いたら、わりと面白い感じになったので、そのまま採用。

台本もわりと脱線したシーンが多く、はぶいてしまったところも多い。

最初、牛島くんはもともとヤンキーで海原さんにその素行を垣間見られちゃうとか…。

マサコが蒸発した後、猿山とモコが講習会に潜入して仲悪いくせにわりとリズム感が合うなんていうシーンも書いてみたけど省いてしまった。

今回、子供向けの教材を扱っている会社の中を書いてみたけど。

そんな会社に勤めたこともない。

モデルがないから、正直、以前の職場と今の職場を足して2で割ったような世界観になったのは確か。

外枠は今の会社、内枠は前の会社っていう感じだろうか?

そこにあのキャラクターたちを当てはめたら、なんとまぁ、愉快な仲間達に仕上がってしまった。

結婚に悩んでいる等身大の女性が強くブレずに生きようとするのに、なぜか踏んだり蹴ったりで次から次へと問題が起きる。

心折れるときもあるけど、優しい彼氏に支えられてちょっとだけ前向きに頑張っていく。

本当にそれだけの物語なんだけど…よくもここまで肉付いたなと思った。

というのもキャラクターに個性がありすぎたせいなんだけど…。

 

どうやらこの世界観が好きすぎて、終演したにも関わらず戻ってこられない役者が何人かいるようだが…。仕方ない。だって大好きだし。

 

そんなわけで、まだまだ勇者フジコの冒険はまだまだ続くので、今後も支えてくれる役者たちには付き合っていただきたいと思う。