あとがき

今回は女優5人ということで、しかも新しい顔ぶればっかり…。

昔を知ってるけど演技はそんなしらない高校の超後輩の堀内。

7月のマリン・ブーケから1年ぶりの第6ボタンの菊池。

Mr.Apple2014と今回で2回目のフランセス。

まごころ十八番勝負からやってきた、第6ボタンが人生初客演の木村。

付き合いは長いけど第6ボタン初出演でセリフがある役が久しぶりだという粟津。

まぁ~…なんつーか…ある意味デリケートな座組になったわけだ。

不安ちゃ、不安。なんとかなるっちゃ、なんとかなる。の半々。

その結果、今回は演出に徹しないとダメだと思った。

劇団じゃないくせに、この2年、有りがたいことにレギュラーで出演を決めてくれる、本当にめっちゃわがままな役者たちが存在したが…この6月は一切なし!本当に初の試み。

新しい人で座組を組むと「どうなるのかな?」っていうね。非常に安易な考えで臨んだわけだが…。

 

結論。アホみたいに大変(-w-;)

 

単純なことで「やっといてね。」「つくっといてね。」という、いつもなら通用する言葉が通用しない。

で、芝居の質もあがっていかない…「アレ?おかしいな…。Σ(-△-;)」正直、これはヤバい!

なので、がっつり発破をかけることになった。「怖いながみねさん」をしたわけだ。

当たり前のようで当たり前に出来てないことを何度も何度も…。

…部活の顧問の先生状態。

「ほんと、ながみねマジうざぁい」とか思われてもしゃーないなぐらいなレベル。

だって、目を離すと集中力がすぐ散漫になるんだもの。

 

もう年頃の女優って超大変…。ぜぇぜぇしちゃう…。

 

ただ堀内と菊池に関しては演出らしい演出なんにもつけない状態で本番を迎えてしまったので本番に入ってから演出を修正したところも多い。

 

それでも7ステの中で、ブレにブレまくり「今の回のものはお客さんに見せるレベルのものではない。」という場面もあった。

修正をかけた回は、本当にいつもの第6ボタンの質になったなと安心して次のステージに挑むと

「おいおいおーい…Σ(@□@;)勘弁してくれよ。」とね。

こんな落差が起きるのが第6ボタン史上初すぎて毎日「どうやって修正していこう…」の連続。

 第6ボタンが初めての人間が多かったせいか、本当に学生に1~10まで私のやりたい演劇を教えている気分になったが、最後まで分かってもらえた感はあんまりない。

 

で、彼女たちと一緒に作って、ひとつわかったことは…。

 

どうやら第6ボタンは演出としてコミニケーションもさることながらリズム、テンポを重視にするんだなと。

なので、つかめない人には全然、つかめず、考える時間を与えないと消化できない状態に陥ることが分かった。

そんな難しいことは要求しているつもりはなかったが…どうやら、分からん人にはさっぱりわからんようだ。

 

作品としては非常に「共感した!」「めっちゃわかります!」という評価をうけた。

以前、お客さんに「『麗しき乙女達の肖像』の個性的なキャラ達の一人、一人の物語が見たい。」と言われたので書いた今回。

 

2013年版では、正子が突然、会社を辞めてしまうところしか書いてなかったが、2014年版では、なんで、そんな精神状態に至ったのかを書いた。

そして去年の7月からの作品の登場人物たちを再び登場させる手法をまた取り入れれた。

 

結果、やっぱりパステルというキャラは万能だなということ・・・。

 

あとは正子と彼氏の電話のシーンでは俳優に声のみで出演だったがオファーして本当によかったと感じた。

今まで、第6ボタンを見てもらっているお客さんには過去に出演した俳優の声だと違う印象をもたれていることが多く 「正子の彼氏」だけはダイニング公演に出演したことない俳優にオファーした。

声収録の日…外で録ることしかできず…しかも雨が降ってきてしまい…。しゃーないので、録音したものに雨の音を重ねることにした。

そんで、セリフも雨の中、とっさに「『今、外回り中』って言って下さい。」とお願いをして録音。

あぁいう電話のシーンは掛け合いができてなくて、冷めてしまいやすいが…。

俳優と堀内の声を同時にきちんととって、堀内の声だけを抜いた状態にして、なんとか、あの状態にもっていった。

 

3週間という時間があまりにもない中で仕上げた作品ではあったけど。

女優たちは泣きごとや文句はひとつも言わず、スタッフも兼任してあの作品を作り上げたわけだ。

私の納得いく質にもっていった、いかないは別にして、また彼女たちが第6ボタンでやったことを糧にして前に進んでくれたらいいなと思う。

新しい人とやることは、とっても新鮮で、とっても大変だったけど、新しい発見の連続だったことも確か。これをいい経験として次につなげられたらいいなと感じる。